顎変形症 治療まとめ

2017年10月に顎変形症の手術をしました。 治療の内容や感想をまとめたブログです。

手術後3日目

5:00に目が覚めました。

この時間辺りが顔の腫れ最大のピークだったと思います。

顔が重たく感じるのと、頬が熱いです。

白血球が頑張ってるのを実感します。

今日からお風呂(シャワー)に入れるので、予約をしに行きます。

毎朝恒例の体温と血圧チェック。血液検査はもうありませんでした。

37℃と昨日より少し下がってきてますが、まだ微熱状態です。

朝ごはんの栄養ドリンクと痛みどめを飲み、ヨーグルトを食べていたら外来に呼ばれました。

外来診察の時間がいつも分からず、急に病室に先生がきて「外来に来てくださいね。」って呼ばれるので外来診察終わるまではそわそわします。

たぶん先生の予約の空き状況によってなんでしょうね。

外来診察ではとくに問題もなく回復に向かっているとのことで、歯磨き残しで虫歯が出来ないよう洗浄をしてもらいました。

 

12:00 ついにお昼ごはんがペーストご飯になりました。

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ぱっと見何が何だか分かりませんね。

しかし、食べてもいまいち何を食べているのか分かりません。

おかゆとコーンスープ、お茶は分かりますが、下の2つは食べても良く分かりませんでした。

美味しいは美味しいのですが。

こんなにドロドロのご飯なのに、口が開かなさすぎて食べるのに1時間かかってしまいました。

今朝の栄養ドリンクの時は30秒でしたからね。

 

この辺りから、痰はまだ絡むものの数時間に1回くらいだったので吸引機はほとんど使わず。

しかし鼻血鼻水はたらたら続いていました。

左手の甲の注射針も外してもらい、ようやく全身自由に!

ただ、昨日外してもらった手首の注射針を抜いたところが大きく痣になっていました。

動脈注射のため針を抜くときも5分くらい強く押さえていたので仕方が無いのですが、この痣2週間くらい残ります。

 

そして3日ぶりのお風呂!

汗もかいてないし、毎日暖かいおしぼりタオルで体を拭いていたので嫌悪感は無かったですが、入るとすっきりしますね。

1人30分しかないのでそこまでゆっくりできませんが、頭が洗えるのは良いですね。

一応湯船もありましたが、共同で使用する場所なので衛生面が心配で浸かれませんでした。

 

18:00 夜ごはん。

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これもおかゆ、お吸い物、グレープゼリーはすぐに分かるのですが、おかずが分からない。

そもそもマヨネーズはどっちに使うのか。

あとで聞いたら、おかずは白身魚のあんかけとポテトサラダだったようです。

ペースト状態なので味が薄く感じます。

 

この日は22時くらいに寝て、夜中2回ほど目が覚めてしまいました。

運動不足や、慣れない寝かたのせいですかね。

顎を切ったばかりのため仰向けにして寝ないといけないのですが、普段は横向きで寝ているので寝にくい。

あとは息苦しさ。鼻の通りが良くなればましだと思うのですが。

手術後2日目

結局息苦しさで、この日も全然眠れず朝を迎えました。

体温、血圧、血液検査。

まだ熱が続き頭がぼーっとしています。37.7℃と昨日とあまり変わっていません。

酸素濃度計はもう大丈夫だろうということで外されました。

 

7:00 朝ごはん代わりの栄養ドリンクと痛みどめを飲みます。

8:00 口腔外科の診察。

未だに痰を吸引するチューブが手放せずにいるので、外来診察に行くまでに大量のティッシュを消費します。

外来で口の中に刺さっていたドレーン(血を抜くチューブ)と上顎についていたマウスピースを外してもらいました。

どちらともまだ口の中の感覚が鈍いので痛みはそこまでありませんでしたが、外す瞬間の違和感が気持ち悪いです。

ドレーンは手術の後の傷の中に血が溜まらないよう傷口に刺さっているので「ズルッ」とした感覚がありました。

マウスピースは違和感というより、ホチキスの芯のようなもので上顎に固定されていたのでそれが抜ける感じにぞわっとしました。

 

咬み合わせを見てもらうと、若干下あごが右にずれていたので斜めにゴムかけをしてもらいました。

ゴムかけとは、名前の通りゴム(エラスティック)を矯正器具のでっぱりに引っかけることです。

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白い袋の中に小さい輪ゴムが入ってます。

左上の緑のピックで引っかけます。(ちなみにゾウの形)

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この写真だと歯並びが真ん中に近いのですが、ズレているときは斜めにかけたりします。

今日から、このゴムかけの作業がはじまります。

・食事の時は毎回外す

・1日1回取り換える

これを毎日です。面倒ですがこのゴムかけをちゃんとやるかどうかで、綺麗に治るかが関わってくるみたいなので頑張ります!

そして今日から歯磨きも始まります。

 

12:00 引き続き栄養ドリンクを飲みます。

ドレーンとマウスピースが無くなり、口の中がだいぶ自由になったのでコップから飲み物を飲めるようになりました。

売店で飲むヨーグルトやウィダーインゼリーを買い込み、おやつ代わりに飲みました。

液体ばかりですが、病院にいる間ほとんど動かないのでお腹が空くことはありませんでした。

動かなさすぎて身体がだるいので、この日から病院内の散歩を始めます。

それでも歩く場所が限られすぎてて1日2000歩くらいしか歩けませんでしたが。 

 

歯磨きですが、口が開かず全然磨けません。

しかも口角と唇の真ん中が荒れてしまって痛くて余計に難しかったです。

恐らくドレーンで擦れてしまったのと、飲み物を飲むときに水のみが当たっていたのだと思います。

とりあえず、磨けるところまで磨いてうがい薬でうがいをし、初日に貰った軟膏を塗りました。

 

このとき、まだ両手の甲と手首には注射針が刺さっていたのですが、手首と右手の方はもう使わないということで外してもらいました。

これで右手は完全自由!

お手洗いや、着替える時に邪魔だったので良かったです。

 

18:00 夕食の栄養ドリンクと痛み止めを飲んだ後、先生達が回診にきてフェイスバンドを外してもらいました。

そこで顔の腫れ具合に驚きました。

自分の顔がこんなになるなんて。

人生でこんなに腫れたこともないし、こんなに顔がデカくなったこともないし。

たとえるなら、アイスのガリガリ君のような顔です。

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後日自分の写真載せますね。

先生からは「腫れのピークは今日明日だから。」と言われましたが、さすがに驚きを隠せませんでした。

私の場合、上顎、下顎、オトガイの3か所の手術なので腫れがひどいのかもしれません。

そして明日の昼ごはんからペーストご飯が食べられることになりました。

ようやく固形(ペーストだけど)のものが食べられる!

 

19:00両親がお見舞いに来てくれましたが、パンパンに腫れた顔を見て爆笑されました。

鼻血鼻水は垂れ流しの状態から、たまに出てくるくらいになったので綿棒を使えば済むくらいに。

痰はまだ出てきますが、吸引機を使う回数は減ってきました。

寝る前に抗菌剤を点滴されます。

この日は3時間置きに目が覚めたものの、割と寝ることが出来ました。

 

 

手術後1日目

一睡も出来ぬまま一夜を明けました。

恐らく9:00頃、血液検査をして体温と血圧を測る。

体温38℃、血圧130と普段平熱36度で血圧90くらいなのでだいぶ高い。

手術で使わなかった自己血が400cc余っているとのことで、輸血をしました。

もともと自分の血ですが、変な感じです。

11時には病室に戻れることになりました。

余談ですが、手術が終わった直後とこの日の朝に、首からお腹にかけて発疹が出たようなのですが痒みもなく一瞬で治まってしまったので、皮膚科の先生が来る頃には元の状態に戻ってしまい原因が不明というようなことがありました。

花粉症くらいのアレルギーしか持っていないので今のところも謎のままです。 

 

口腔外科の先生が来て、口から飲み物が飲めるかどうかということで水を飲まされました。

水が飲めれば口から栄養が取れるから鼻から入っている胃のチューブが抜ける、とのことで必死です。

どうにか水が飲めたので、胃チューブを抜いてもらえることになりましたが、この胃チューブ抜くのも本当気持悪くて。

一番喉のあたりが気持ち悪さMAXなのですが、そこを生き物がずるずるーと通る感じです。

でも胃チューブが抜けたおかげでだいぶ気分が良くなりました。

これ、水が飲めない人は一度チューブを抜いて、栄養補給用のチューブを再度入れなおすそうです。辛すぎる。

 

心電図と酸素濃度計を外し、下半身の清掃を看護師さんにしてもらいました。

赤の他人に下の世話をされたくないという人の気持ちも今なら分かります。

こんなに早く自分がされる時がくるなんて思いもしませんでした。

手術着から病院着に着替え、シーツを取り換え、そのままベッドごと病室に移動です。

この時あたりから、体調も良く元気だったのでベッドごとの移動はなんだがおかしな感じでした。

病室に戻り、小さい酸素濃度計を指につけます。

担当の看護師さんから歩けるようなら尿管も外しちゃおうかと言われ、試しに歩いてみると問題なく歩くことが出来たので尿管も外してもらいました。

この尿管なんですが不思議なことに、刺さっている間まったく尿意も痛みも感じず、抜く瞬間だけ違和感があったくらいで全然痛みがありません。

尿道を通るって聞くと痛そうな感じがするのに本当不思議。

 

その後トイレにいって、初めて自分の手術後の顔を見ました。

髪はぼさぼさだし、口周り荒れてるし、チューブ(ドレーン)入っているし、自分の顔見て「うわっグロっ」って思いました。

フェイスバンドをしていたので、顔の形はそこまで分かりませんでしたが、前歯がちゃんと咬み合ってて感動しました。

「前歯がちゃんと前に来てる!!」

念願の状態です。

今まで受け口で上の前歯が引っ込んでいたので、本当に本当に感動しました。

感覚が麻痺していて全然分からなかったのですが、目で見て実感しました。

 

母親が見舞いに来てくれ、ロッカーに預けた荷物を持ってきてくれました。

口周りがぐっちゃぐちゃで、両手も管だらけだったので助かりました。

病室に戻ってからも鼻血と血混ざりの痰が止まらず、ティッシュで拭いて吸引機で吸ってを繰り返します。

12:00お昼ごはん。食事というより栄養ドリンクを飲みます。

これが3日続きます。

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酸っぱさで少し喉が痛かったのと、物理的な飲みにくさがありました。

吸いのみという容器を使って飲みましたが、口がうまく閉じれないので、飲み込む瞬間は上を向かないと飲み込めません。

食後の痛み止めも液状にしてくれましたが、とてつもなく苦くてびっくりしました。

痛み止めってこんなに苦いんですね。

 

食後ようやく寝ることが出来ましたが、痰が詰まって目が覚めるのであまり眠れませんでした。

しかし夜中一睡も眠れなかったのでこの仮眠で元気になりました。

15:00頃、まだ自己血を輸血中でしたがCTを撮らなければいけなかったので、繋げたままレントゲン室へ。

CTを撮って先生から「口腔外科に行ってね」と言われたので行ったら、その途中で輸血が終わって機械がピーピー鳴り出すもどうしたら良いのか分からず、とりあえず口腔外科へ。

看護師さんが補水液に切り替えてくれました。

本当はCTのあと口腔外科に来なくても良かったそうですが、たまたま担当の先生が空いているとのことで見てもらうことに。

口の中の消毒をしてくれ、ドレーンも明日には外せるよ、と言ってもらえました。

手術後1日目で歩けるくらい回復していたので先生たちに驚かれました。

回復が早いに越したことは無いと思うので良かったです!

 

部屋に戻ると抗菌剤を点滴されましたが、16~23時まで繋がっていたので結構邪魔でした。

面会室にいくと(面会室にお茶や水のサーバーがあるので)、入院日に仲良くなった2人と再会しました。

3人で手術の時の状態を話し合ったり、今後のことを聞いたりと話ができて良かったです。

17:30 夜ごはんの栄養ドリンクと痛みどめを貰いました。

さっきよりも飲みやすく、味もちゃんと分かるように。

21:00頃もうすぐ消灯のところ、鼻血鼻水が止まらずティッシュを鼻に詰めていたら看護師さんが綿球を持ってきてくれました。

その時に「夜の間は酸素濃度計つけててね」と言われました。

酸素濃度計って指先につける弱めの洗濯バサミみたいなもので、取れやすいのと邪魔なのとで昨日の昼間ほとんど外していました。

トイレに行くとき外してから忘れてたんですけどね。

ただ、データが遠隔で転送されるのでナースステーションの方では「あ、これは外してるな」って分かっていたそうです。

私は元気な方だったので看護師さんも昼間の間は配慮してくれていたみたいですね。

いやはやお気遣いありがとうございます。

さすがに夜中は看護師さんも少ないし、こまめに患者の状態を見るわけにもいかないですからね。

今朝より顔が腫れてきて熱いのと、息苦しいのとでこの夜もあまり眠れませんでした。

 

 

手術日当日

手術日当日です。

6:30 起床。

寝起きに血液検査のため注射されました。

手術後数日は毎日血液検査で血を抜かれます。

 

飲み物が飲めるのが8:00までなので5回くらい水分摂取しました。

普段4時間くらいは水分取らなくてもいけるのに、飲んじゃダメって言われると飲みたくなりますね。

手術当日はご飯も食べられないので、ひたすらお水飲んでました。

 

手術中は何かあった時のため家族に来てもらい、手術が終わるまで待合室で待ってもらいます。

そのため母親に仕事を休んでもらって来てもらいました。

この歳になって親に仕事を休んでまで来てもらうのも気が引けましたが、ありがたかったです。

 

手術室に持ち込む荷物以外は一度病室から出さないといけないので、荷物をまとめます。

手術後に同じ部屋になるか分からない(緊急入院などで別の人が来る時がある)のと、防犯上荷物の管理が難しいとのことでした。

荷物は家族に頼んで持ち帰るか、病院のコインロッカーに預けるか、だそうです。

私はコインロッカーに預けました。

家族に持ち帰ってもらう人は、入院当日の荷物を少なくして、手術後部屋に戻るときに全部の荷物を持って来てもらうといいですね。

 

 

手術は11:00を予定していましたが、前の人が早く終わったようで10:20に早まりました。

心の準備がまだ出来ていない状態で、エコノミー症候群対策の医療用メディキュットと手術着に着替え、荷物を持ってオペ室に向かいます。

オペ室に入ると、ドラマで見るような感じの医療機器や照明があってようやく手術するんだな、と実感が湧きました。

手術台に寝かされ、ようやく担当の先生とご対面。

「いよいよだね!寝てる間に終わるから。終わった後パニックにならないでね。」と最後若干の不安感を与えてくれました。

(実際先生は感じが良く、とても良い先生です。)

そしてメガネを外されます。

私かなり視力が悪いのでメガネがないと、30cm手前しか見えない状態なので、もう周りの状態が分かりません。

左手の甲に麻酔を入れるための注射針を刺され、右手の甲にも注射針を刺されます。

なんのための注射針かは忘れてしましましたが、注射が苦手なのでせめて右手は麻酔が効いてからやって欲しかった。

酸素マスクを被せられ、麻酔を注入されます。

頭がぼーっとして気付かぬうちに落ちてました。

 

 

16:30 無事に目が覚める。

目覚めた瞬間感じたのは、「下顎めっちゃ痛い」でした。

痛くて痛くて、顎がガクガク震えてました。

その際、「名前分かる?」「手握れる?」「寒い?」と聞かれ、答えようと声を出すも全然話せませんでした。

物を口に入れたまま喋っているような感じです。

実際に上顎にマウスピースがついていたので話しづらかったです。

この時点ではまだ手術台に乗っていましたが、意識が戻ったため、ICU(集中治療室)へ運ばれます。

 

オペ室での下顎が痛い、というのを聴きとってもらえていたようで、痛み止めを2本打ってもらいました。

それから鼻血が詰まって口呼吸しか出来ない状態だったのですが、血の混ざった痰が絡んで呼吸も出来なくなるため、痰を吸引するチューブを持たされます。

最初の一回は看護師さんがやってくれましたが、自分でやったほうが変な所に当たらずちゃんと吸引できますからね。

ナースコールのボタンと痰の吸引チューブを手首に固定してくれました。

こりゃ、パニックになる人もいるわ。って今だから言えますが、終わった後は本当大変でした。

痛み止めが効き始め、痛みが和らぎ、痰の吸い取りも慣れたころ、先生がICUに来てくれました。

「手術無事に成功したよ。今が一番大変だけど、これから良くなる一方だから。」というようなことを言ってもらえましたが、正直それどころじゃなかったです。

記憶も曖昧で、手術が無事に終わったということだけ理解しました。

 

17:00両親と面会します。

その頃には父も仕事を終えて来てくれたようです。

メガネをしてなかったので、あまり見えませんでしたが私の姿を見た瞬間の両親は痛々しいものを見るような表情でした。

母親は泣きそうになってました。

しかしICUにいるのに携帯電話は鳴らす、医療機器に触る両親にイライラして、上手く話せないのも相まって会話はほとんどなかったです。

皆さんもICUでは携帯電話の原電は切って、勝手に患者さんや周りの機器に触れないようにしてください。

普通の病棟と違ってICUって患者自身動くことも出来ないし、生存するだけで精一杯の患者を集中的に看護する場所なので、お見舞いに来る人は勝手な判断で動かないように。

携帯電話も今はほとんど大丈夫とも言われていますが、医療機器に影響を及ぼす可能性があることを頭の片隅にいれておいてもらいたいです。

その後担当の先生が来て、両親にも手術の説明をし、17:30くらいに両親は帰って行きました。

 

 

体中がコードとチューブまみれだったので、その詳細です。

左手の甲…点滴

左手首…動脈針(ここから血を入れたり抜いたり)

左手指先…酸素濃度計

右手の甲…痛み止め用針

口の中…血抜きドレーン2本

鼻…胃チューブ(飲み込んだ血を吸い取るため)

尿道…尿管(トイレにいけないため)

体中に心電図

 

心電図の数は覚えていませんが、それを抜いても8本刺さっていました。

プラスで痰吸引チューブとナースコールのコードがあったわけです。

 

 

両親も帰って、そこから一晩ICUで過ごすわけですが、この時間が一番辛かったです。

メガネがないので、周りの状況も分からないし、時計も見えないし、ひたすら呼吸をすることだけに専念していました。

痰が詰まっては吸引してを繰り返し、熱も出てきて、3時間ごとに痛み止めを貰わないと耐えられない状態です。

胃チューブで胃の中の血を抜くのもそうですが、胃が入っている違和感が凄くて、少し体制を変えようものなら吐きそうになる気持ち悪さです。

そういえば、看護師さんが来るたび「吐き気はない?」と聞かれましたが、そのときはそこまで吐き気もなく、なぜ聞かれているか分かりませんでした。

胃チューブが気持ち悪くて吐いてしまう人がいるのと、口がほとんど開かないため吐くと気道確保出来なくなってしまうので頻繁に聞いてきたのかもしれません。

後は酸素濃度が下回るとエラー音が鳴るのですが、それがまた焦るんですよね。

鳴るたび深呼吸するも痰が詰まる、呼吸止まるって感じでした。

ただぼーっとしていられれば良かったのですが、苦しさと痛みで時間が流れるのが遅く、この夜が人生で一番長い夜でした。

そのため一睡もせず、次の日の朝を迎えます。

 

 

入院日当日(手術1日前)

10月1日いよいよ入院です。

10~14日間くらいの入院予定で、手術後の状態で退院日が決まるらしい。

 

10:30 に病院へ。

病棟のナースセンターで受付、身長と体重を測り、病室へ案内されました。

入院費を安くしたかったので6人部屋にしましたが、私をいれて4人しかいませんでした。

看護師さんから各設備の案内をされ、荷物を広げていると、別の看護師さんがきて簡単に手術の説明されます。

この日が日曜日のため私を担当している先生がお休みだったので、日勤の口腔外科の先生から後でまた説明がありますとのこと。

説明の際に、唇と口周りの保湿用の軟膏を貰いました。

手術の時になるべく唇と口角の荒れを防ぐためとのこと。

たくさん塗りたくってね、と言われたのでこまめに塗りまくります。

軟膏の中身は、ワセリン、オリブ油、抗生物質(成分名は忘れてしまいました)が混ざったもので黄色い軟膏です。

そのあと血液検査で注射されました。

12:00 お昼ごはん。

人生初の病院食でしたが、思っていたより美味しかったです。

病院食は不味いなんて聞きますが、最近はそうでもないみたいですね。

お昼ごはんはこんな感じ。わかめご飯が美味しかった。

 

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お昼ごはんの後、同室の人たちとお喋りしました。

私と同じ顎変形症の手術をし終わった人が2人いたので心強かったです。

年齢も近く、手術のあれこれを聞くことが出来て本当に良かった!

 

15:00 口腔外科と麻酔科の先生がきて、手術についての最終確認をします。

その後シャワーを浴びて、18:00に夜ごはん。

手術後3日はご飯が食べられないので、よく味わって頂きました。

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食後はネットしたり、電話したりして過ごしてました。

入院当日は健康体なのもあって、やることもなく暇です。

21:30が消灯時間で、普段寝る時間が日付が変わる頃なのですぐに寝付けなかったものの、気が付いたら眠っていました。

病院のベッド、意外と寝心地良いです。

自宅から枕を持って行きましたが、病院の枕も家で使っているようなのと同じ感じだったので使いませんでした。

 

 

手術前矯正(手術前20ヶ月間)と手術前準備

2015年11月から治療を始めましたが、手術に向けてまずは矯正をしなければなりません。

だいたい1年半~2年ほど手術前矯正をします。

しかし矯正を始めるまえに問題が発生。

私、上前歯の両隣の歯(側切歯)が乳歯でして明らかに歯自体が小さく、しかもグラついていて矯正器具をつけられる状態にないと。

先天性欠如というものらしく、生まれつきでそこは永久歯が生えないらしいです。

永久歯が生えてこないことに関しては前々から気付いてましたが、我ながらなんて面倒な状態なんだと思いました…

 

乳歯を抜いてからでないと矯正を始められないとのことで抜歯をするのですが、矯正歯科では抜歯は出来ないと言われ別の歯医者さんで抜歯。

そのあと矯正を始めたので、矯正期間は2016年2月~2017年9月までの20ヶ月間(1年8ヶ月)。

 

月1で矯正歯科に通い、その間半年ごとに大学病院を通院していました。

矯正をしていてそこまで大変だなと思うことはありませんでしたが、まとめるとこんな感じです。

 

・矯正調整(月に1度の通院)のあと5日ほど痛みが強く、食事が制限される。

・矯正器具に食べ物が詰まるので、食後は歯磨き必須。(外食時もトイレで歯磨き。)

・矯正器具が当たり、口内炎が出来やすくなる。

・治療に伴い前歯が咬み合わなくなり、手羽先のようなかぶりついて食べるようなものは食べられなくなる。

・話すとき笑うとき矯正器具が見える。

 

あと私の場合、手術後に綺麗に咬み合わせるための矯正治療なので、さらに受け口が進んでしまったので笑いにくかったかな、と感じました。

通院後以外は食事もほとんど食べたいものが食べれましたし、矯正治療自体は苦痛に感じることは無かったです。

ただ人によっては痛みで食事が取れないという人もいるようなので、プロテインや青汁、ビタミン剤で補うと良いと思います。

私は毎日、ビタミンC剤(L-システイン配合)、ビタミンB2B6剤、食事でタンパク質が足りてないなというときにソイプロテイン(大豆由来のプロテイン)、青汁を飲んでました。

青汁は難消化性デキストリンが配合されているものだと、お通じが良くなるのでオススメです。

 

 

 

そして半年ごとの大学病院の通院のときに、歯型を取り経過を見て、良い頃合いになったら手術の準備をしていきます。

CT(断層撮影)、MRI(脳の検査)、血液検査、入院日の決定、手術に関する承諾書のサインなど。

また私の場合は身内に甲状腺機能障害の人がいるので、その検査も同時にお願いしました。(全身麻酔に関係してくるため。下手すると目が覚めなくなってしまうという話を聞いたので…)

今思えば、麻酔使用の血液検査を行っているのでそんな心配は必要なかったのですが、自分の身体の事なので知る機会ができて良かったです。

 

手術1ヶ月前くらいから自己血の貯蔵を始めていきます。

自己血貯蔵は、手術の際に使用する血液を自分の血液で補うためにおこなます。

自分の血を使うことで、拒絶反応や感染症のリスクが下がるので、前もって手術をするのが分かっている患者さんには自己血貯蔵をしているらしいです。

血液の保管が5週間しか出来ないのと、800ccが必要となるので1ヶ月に400ccの血液を2回抜きます。

献血の場合、400ccの血を抜いたら1ヶ月は献血が出来ないルールになっているかと思いますが、これは400ccの血液を身体が作りだすのに1ヶ月かかるからだそうです。

今回の場合、800cc必要なので造血剤(クエン酸第一鉄Na錠)でドーピングして貯蔵します。

2回目の時には貯蔵前に血液検査をして貯蔵が難しければ1回目分の400ccで手術をおこなうとのことでしたが、私は800cc貯蔵することができました。

実際に手術でこの自己血を使う時、95%くらいの人が半分も使わないそうですが、念のため800ccを貯蔵するとのことでした。

 

この自己血貯蔵ですが、今まで献血に1度も行ったことのない私には、かなりの恐怖でした。

もともと注射自体が苦手で、毎度毎度の血液検査も目を伏せていたのですが、今回は注射針も太く、400cc抜くのと抜いた分の補水液の点滴で40分ほど針が刺さった状態で身動きが取れなかったので…

血圧の低さが関係しているのか、血の貯蔵が他の人よりだいぶ遅く、腕を左右に揺らされました。

生きた心地がしませんでした。

この後も手術で何本も注射を打たれますが、未だに苦手です。

 

顎変形症とは

顎変形症(がくへんけいしょう)って私も治療を始めるまで知りませんでしたが、一般的にあまり認知されてない症状だと思います。

名前の通り、顎の形が変形してしまう症状なのですが明確な原因は不明とされています。一説によれば遺伝や癖が関わってくるようです。

おそらく私の場合は、永久歯が生え変わる際に歯並びが悪くなりそれに合わせて変形してしまったんじゃないかなと思ってます。

顎が変形してしまっているので、歯科矯正だけでは治療が難しく手術が必要となってきます。

 

 

日本人に多いのが下顎前突症と呼ばれるいわゆる受け口と言われてます。

ほかにも上顎前突症と呼ばれる出っ歯だったり(歯の生え方で出っ歯になる人もいますが)、開咬症(歯が咬み合わない)、上下顎非対称下顎非対称上顎後退症下顎後退症などがあります。

 

私の場合は、下顎前突症と上顎後退症だったので上下とも手術が必要でした。

さらに下顎を手術で引っ込めないといけないので、下顎の先端が下がりすぎてしまうのでオトガイ形成術も同時に行いました。

オトガイ形成術とは下顎の先端を前後させる見た目を良くする手術なので行わなくてもよいのですが、せっかく手術をするので同時にして頂きました。

見た目を良くするということで美容外科じゃないのかとも思いましたが、顎変形症の手術をする際には、顎口腔機能再建外科の治療分野に当たるようです。

顎変形症の手術をする方は下顎を動かす人が多いのでオトガイ形成術を一緒に行う人が多いようです。

 

 

 

【治療費について】

矯正治療だと通常は保健適応外の治療となるので60万~100万円ほどらしいですが、顎変形症は保健適応となり手術の時には高額医療制度の対象となるのでだいたいトータルで15万円前後です。

実際に私が入院した際に支払った金額は11万円です。

高額医療制度は年収により限度額が定まるのと、ベッド代などが対象外になるので人によって金額は前後します。

私もまだ治療中なので確実なことは言えませんが、恐らくトータル20万円を超えることは無いと思います。※追記 計算したら31万円超えていました。(2018年2月現在)

 

 

【手術の内容】

上顎と下顎を手術するとのことで、どのような手術になるのかですが、全て口の中から行うので顔に傷は残りません。(手術のあと傷口の中に血が溜まらないようにドレーンと呼ばれるチューブが埋め込まれます。最近はほとんど口から出す方法だと思いますが、そのチューブを顎の下から貫通させる場合には小さい傷が残ってしまうようです。それでもほとんど目立たないらしいですが。)

口の中から一度上下の顎を切り離し、正しい位置にチタンプレートで固定してから切り口を縫い合わせます。

必要があれば骨を削ってから固定します。

簡単にまとめてしまいましたが、かなり高度な技術が必要となる手術です。

国内でも行える病院と先生が少ないらしく、私のお世話になった病院では同室の子が隣の県から来ていました。